作家志望必見! 恥ずかしくない銃の基本と勉強方法について! その1
ミニ四駆の話をやるといったな。あれは嘘だ。
いや後日やりますよこんばんは三ツ葉です。今回は私の得意分野の銃の話。現代~近未来のアクション小説に欠かせない武器といったらやっぱり銃ですよね。
今回は書いていて恥ずかしくない銃の超基本についてお話しましょう。
【ご注意】
今回の解説の対象は作家志望かつ、銃に関して「ウルトラ初心者~ゲームで見知っている程度」の方です。私も専門家ではありませんので、イチ作家志望としてはここらへんは抑えておくといいよ! というレベルです。内容も作品に反映する視点で書かれています。
今回はハンドガンが多めです。
- ACT1:まずは「MEDIAGUN DATABASE」を読め!
- ACT2:拳銃でリボルバーとかオートマチックとかはなんぞや?
- ACT3:一つぐらいモデルガンを買っても良いかも
- ACT4:口径ってなんぞや? 作品にはどう扱ったらいいの?
ACT1:まずは「MEDIAGUN DATABASE」を読め!
まずは「MEDIAGUN DATABASE」を読みましょう。
これで終わりです。(完)
……もちろん冗談ですが、半分本気です。このデータベースはメディア媒体に登場した銃器を紹介するページで、武器ごとに「あの作品のこのシーンで使われた」と書かれている素晴らしい場所です。
無論銃に関してもかなり緻密に書かれていて、基本的な事項はここで抑えれば良いと思います。特に読んで欲しいのは色んなメディアで登場するハンドガン、「ベレッタ M92」と「コルト ガバメント」の二つ。このくらいは覚えてほしいと思います。
ACT2:拳銃でリボルバーとかオートマチックとかはなんぞや?
ハードボイルドものや裏社会の主人公が日常的に持っていそうなのが拳銃。これには大きく、かなりザックリと二種類あります。この違いは
オートマチック:弾倉(マガジン)で弾丸を装填してけっこうバンバン撃てるやつ。
くらいの認識ではいいと思いますが一応説明をしましょう。
▼回転式拳銃
ここ百年くらいの近代的なリボルバー、つまり回転式拳銃はレンコン型の丸い弾倉(回転式弾倉、シリンダーとも)が特徴的な銃です。お巡りさんがもっているのは大体こっちになります。
何が良いのかといいますとまずほぼメンテナンスフリーな所。機械的に動く部分がオートマチックとくらべて少なく、また弾倉も弾を挿入しているだけの超かんたんな機構のため長年ほったらかしにしても撃てるのが特徴です。更に言うとジャム(動作不良)がオートマチックに比べて遥かに少ないというものがあります。
また機構が頑丈で単純なため、強力な弾丸を使えるというのが特徴。よくバイオハザードのゲームでマグナムといったらリボルバーの描写があると思いますがあれはあれで正解なのです。
ただ欠点なのが弾丸数の少なさと音がうるさいことそして弾丸が装填しにくいところ。.357マグナム弾を8発装填できたりするものもありますが、それでも10発以下。そして大抵の装弾数は5発か6発と現代戦においては非常に心もとない数というのが特徴です。
あとこれは意外と皆知らない事ですが。銃の操作挙動の仕組みにはシングルアクションとダブルアクションというのがありますが……みなさんご存知でしょうか?
シングルアクションというのはハンマーを引く挙動、引き金を引く挙動が別々に別れているものを指します。なんとこちらはただ引き金をひいても撃てません。撃つたびにハンマーを一回一回倒さなければならないのです。代表的なのはシングル・アクション・アーミーとかでしょうかね。普通に使うには恐ろしく手間のかかる武器です。
しかしこちら、実はファニングショットという引き金を引きながらハンマーを指で弾くように倒して連射するというテクニックもあったりして一概に連射力がないとも言えません。達人級になると一回の銃撃音で二発放っているという離れ業をする人もいます。
対してダブルアクションというのは引き金を引くだけでハンマーが倒れて、引ききるとハンマーが自動的に降りて弾丸の雷管を叩いて発砲するというもの。こちらは今あるものですね。もちろんシングルアクションで使うこともできます。
こちらは楽に撃てる……のですが、ハンマーが引かれて勢い良く叩くこの挙動で銃身がブレることがあります。実際にやってみましたがめちゃくちゃブレる。練習しないと十メートル先の的を満足に撃てません。
ルパン三世の次元大介はこのダブルアクションのマグナム銃をエゲツない速度で正確に撃っていますがまさに人間離れしていると言っても過言ではないでしょう。
あと本物の銃や精巧に作られたモデルガンを所持すればわかることですが、リボルバーをシングルアクションで使うとトリガーが恐ろしく軽いというのも特徴。ちょっと引いただけですぐ撃てます。私も実銃のマグナムリボルバーを撃った時にあまりにもソフトタッチで発砲できたのでチビりそうになりました。
▼自動式拳銃
自動式拳銃はベレッタM92に代表されるような拳銃です。射撃時の反動や燃焼ガスなどで銃の遊底(スライド)とよばれる部分を後ろに自動的に引き(燃焼ガスによる圧力後後退動作をブローバックといいます)、その動作で排莢(弾丸を撃ったあとのカラ)、次弾を装填、射撃準備(ハンマーを倒す等)を行うもの。
引き金を一回撃つごとに一発発射するのをセミオートマチック(半自動)、引き金を引きっぱなしで全部弾が連続で出るのをフルオート(自動)と言います。
こちらの利点はずばり連射が効くことと、弾倉(マガジン)と呼ばれる弾丸の詰まったケースを交換するだけで装填できるという利点があります。
リボルバーの場合はシリンダーを銃の横に露出or排莢蓋を開き、銃を上に倒したりして弾丸を排莢したあと、専用の器具を使ったり一発一発レンコン状の穴に弾を装填するといった動作をしなければならないのでが、オートマチックの場合は弾倉を取り替えるだけです。なんと簡単なことか。
欠点としては機械的部分が多くリボルバーと比較してしまうとどうしても壊れやすく、動作不良も多いこと。劣悪な環境で使える種類も少なく、強烈な弾丸を撃てるものもかなり少ないということでしょうか。
また弾倉もほったらかしにしていると内部の押し上げるバネがヘタって使い物にならなくなる危険性も存在しています。なので、めったに銃を使わない日本のお巡りさんはオートマチックではなく、リボルバーなのです。
ACT3:一つぐらいモデルガンを買っても良いかも
モデルガン、というホビーの分野はご存知でしょうか。これはBB弾が飛ぶものではなく、本物そっくりに作られたまさにモデルなのです。
本物そっくりの薬莢or弾丸に火薬を入れて空砲みたいに撃つことも可能です。特にオートマチックに関しては機構が完全に再現されていて、一発一発撃つごとに薬莢が飛び、遊底がスライドするのは圧巻の一言。
また、簡易分解(フィールドリッピング)も行えるので、銃がどうやって動いているのかを観察するいい資料になります。
だいたいお値段は1万円~3万円と中々お高いですが、HW製などの重量もこだわった製品を手に取った質感は圧巻の一言。おすすめはマルシン工業の製品です。
ACT4:口径ってなんぞや? 作品にはどう扱ったらいいの?
よく銃を知らない作家さんがやるのが安易に.50口径や.45口径といった大型銃を細身の女の子が扱うという描写。撃てるは撃てるかもですが、正確に撃てるかは保証できかねる上に頻繁に使えば使用後にチェーンソーの人がなる振動の病気になります。
そもそも口径というのは発射される弾丸の直径の事。これ、大抵はアメリカのヤード・ポンド法に従ったものです。ミリ単位で表記されている弾丸もありますが、こちらはヨーロッパ圏のメートル法に基づいた場所の銃です。どうも日本の口径はアメリカ基準のようですね。
1口径=1インチ=2.54センチであり、.n口径というのは「n/100インチ」の事を表します。なので数字の前に小数点があるかと思います。別に無くてもいいと言えばいいのですが、無いならないでそれは砲弾のサイズ(N倍インチ)となるので、できれば小数点を数字の前に表記するのがGOOD。
そうすると対戦車ライフルに使われるような.50口径の弾丸は直径1.27cmということになりますね。
それ、今指で表してみて下さい。エゲないほど大きいと思います。
お巡りさんの持っている銃はだいたい.38口径つまり約9mm。これで人撃つとパーンと死ぬのでさらに大きく、機銃でも使われるようなこの口径を装填できる銃なんて間違いなくダンベルレベルに重い上に、片手で撃ったりしたら反動で子供の腕など脱臼すること間違いなしです。特に某ラノベの女の子は.45口径の銃を二丁拳銃していましたが、今頃ゴリラみたいな腕になっているはずです。
ついでにいうと……またバイオハザードを引き合いにだして申し訳ありませんが9mmパラベラム弾なんて聞くと一番最低レベルの弾丸と思われがちですが、9mmの拳銃は基本的に大型拳銃に該当します。
私も撃ったことはありますが、9mmは撃ちやすいは撃ちやすいものの、連射して日常的に使うにはかなり訓練が必要であるし、多分華奢な女の子が持ったら指はさぞかしゴツくなるだろうな、と思うのが正直な感想です。
あとマグナム弾をバカスカ撃てるキャラクター達は絶対におかしい。私は武術の心得も有り、かなり体が大きい方なのですがマグナムリボルバーを撃つときにはあまりの恐怖にチビりそうになりました。いやほんと。
かといってそれ以下の拳銃を持たせてリアルな描写にしてもなんか貧弱装備と思われるのが悲しいところ。
そうはいっても9mm以下でも強烈な弾丸(トカレフ弾や5.7×28mm弾などなど)もありますし、一概に口径が大きければ大きいほど強いというわけでもなく。作家としてはリアルと虚構のさじ加減は大事なので、ここらへんは前述したデータベースでしっかり勉強することをオススメします。
と、超ウルトラ基本を書いてもこの始末。語れば語るだけ本になるほどのテーマですが、作家としてはここらへんを抑えておくとけっこう良いかもしれません。
銃のお話は大好きなので、またやるかもしれません。
それでは今日はこのへんで。
(三ツ葉亮佑)