築生団・ドットコム

小説サークル『築生団』のBlog

どこまで突き詰めれば良いのか、しかして表現として細かすぎるのはどうなのかという小説における二律背反

悩むゥー。

何がと言えば文章による表現ってヤツです。特にラノベを重きにおいて創作をしている以上、表題のような二律背反にぶち当たると思うのですよ。

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極端な話、ライトノベルは本当に気軽に読めるという部分があるので、案外ザックリと書いて良い部分があると思うのです。

ですが、一般的に「売れている」と言われるレーベルの数々はそういった線を度外視してかなりしっかり書かれていると思うのです。

しかして自分が真似をしようものなら、まるで専門書の、それこそ中高生が嫌がって読む教科書の個人的見解がベッタリなウザったい文章になってしまうのですよね。

例えば、

 

改変前)主人公はパンチを繰り出す。見事クリーンヒット。

 

というのを、

 

改変後)主人公は反撃をするべく、拳を握り突きを繰り出した。右手を大きく腰へ引き、腰の回転と共に一気に放つ渾身の一撃。それは彼が空手道を嗜んでいるという証拠でもある。一般的な武道の体系において、空手道は中々に特殊だ。フットワークを旨とするムエタイなどは重心が高い一方で、「後の先」……つまり、相手の出を制して尚カウンターを打ち込むという武道体系であるからこその低重心。察知して撃つという超常をいとも簡単にこなすのは一重にこの腰の深さと、そして回転にある――

 

上の文章はまだマシに書きましたが、スナック感覚で読みたい人にとっては一行でお腹いっぱいになるはずです。次に行きたいのに余計な情報(ここを読者の好奇心をくすぐらせて深読みさせるのもまたプロの技術とはいえ)を植え付けられてテンポが悪くなるのです。

ボク、三ツ葉は基本的に脳死して斜め読みしていても、その様が映像に出るように」書いています。なのでけっこう淡白に書いちゃうところもあるのですけれども、だからこそ書きたい場所は好きな要因をギュッと詰め込みたいのです。

なので、上のような二律背反に非常に悩む。スッと文章を読者へ植え付けたいが、さりとてくどいと投げられてしまう。この辛さをどうやって折り合いをつけていくのか。文章の道というのは茨道ですね……

 

(三ツ葉亮佑)